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ねぇ、スズランみたいなのが読みたい。
甘えた声でねだられて、僕は筆を取る。 鉛筆が藁半紙を滑る音に、先輩の声が被る。
葉陰から覗く、小さな清廉。 控えめだけれど甘く香って、虫を誘う。 谷間に密かに咲いていそうだけれど、繁殖力が強くて他を追い払って群生するのよ。 そんな花に幸福を託すなんて、素晴らしいエスプリの国よね。
ただ待っているのも詰まらないのか、退屈しのぎに話し出した。 返答を期待しない、一方的な吐露。 清水のように、ただ流れていく。
香水、天然のものは難しいみたいね。 出回っているものは、化学的に合成した似せものなんですって。 とんだファムファタールよね。
先輩の毒舌が途切れたころ、ちょうど良く出来上がった。 さぁどうぞ、召し上がれ。
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